2つの式
ほとんどの計算機は短い式を使います。最終比重を初期比重から引いて131.25を掛けるだけ。通常のビールでは十分ですが、高アルコールでは外れます。
ABV = (OG − FG) × 131.25
131.25という定数は、消費された糖と生成されたアルコールの関係が一定であるという近似です。比重が上がるとこの関係はずれていきます。
ABV = [76.08 × (OG − FG) / (1.775 − OG)] × (FG / 0.794)
この2つ目の式は密度の変化を考慮しており、およそ7%を超える領域で実態に近い値を出します。
どれくらい差が出るか
通常の度数では無視できる差です。1.050 → 1.010 のビールは標準式で5.25%、代替式で5.34%。実用上は見えない差です。
1.090 → 1.020 のバーレーワインでは標準式9.19%、代替式9.99%。0.8ポイントの差は、ラベル表示が正しいか間違っているかの差になります。
どちらを使うか
- 約7%以下:どちらでも可。標準式を使って考えるのをやめてよい。
- 7%超:代替式。標準式は低く出て、誤差は度数とともに拡大する。
- 他者にABVを報告するときは、どの式を使ったか明記する。
見かけの発酵度
酵母がエキスをどれだけ消費したかを%で示します。プラート度は重量%の尺度なので、計算はプラートで行います。
AA = (°P(OG) − °P(FG)) / °P(OG) × 100
「見かけ」と呼ぶのは、アルコールが水より軽いため比重計が実際の残存エキスより低く読むからです。実発酵度は常にこれより小さい値になります。酵母のスペックに書かれているのは見かけの発酵度なので、比較にはこちらを使います。
日本国内での注意:アルコール分1%以上の酒類を免許なしに製造することは酒税法で禁止されています。本ツールは酒類製造免許を持つブルワリー、および1%未満の飲料を製造する方向けの計算ツールです。