プライミング計算機の妥当性を確かめる簡単な方法:19 L、2.4 vol、20 °C、コーンシュガーで計算してください。公開されている文献ではおよそ118 g〜129 gの範囲に収まります。大きく外れる値が出るツールは、定数の出典を確認してから使ってください。
ビールにはすでにCO₂が溶けている
発酵でビールは二酸化炭素で飽和し、溶けている量は温度で決まります。温かいビールほど少ない。この残留分が出発点で、足りない分だけ加えればよいことになります。
V_residual = 3.0378 − 0.050062·T + 0.00026555·T² [T は °F]
発酵終了後にビールが到達した最も高い温度を使ってください。発酵設定温度でも瓶詰め当日の温度でもありません。一度抜けたCO₂は勝手には戻りません。
- 0 °C → 残留1.71 vol
- 10 °C → 1.20 vol
- 20 °C → 0.86 vol
- 21 °C → 0.84 vol
糖の係数の出どころ
CO₂ 1容量はビール1 Lに気体1 Lが溶けた状態で、質量にして1.96 g。発酵は糖を化学的に決まった比率でCO₂に変えます。
C₆H₁₂O₆ → 2 C₂H₅OH + 2 CO₂
ブドウ糖:2 × 44.01 / 180.16 = 0.489 g CO₂ / g
ショ糖 :4 × 44.01 / 342.30 = 0.514 g CO₂ / g
醸造用のコーンシュガーはブドウ糖一水和物で、水分子を含むため重量の約91%がブドウ糖です。DMEは発酵性が約75%。1.96をそれぞれの収率で割ると、1 L・1 volあたりの係数になります。
- コーンシュガー(ブドウ糖一水和物)— 4.41 g/L/vol
- ショ糖 — 3.81 g/L/vol
- DME — 5.35 g/L/vol
これらは他所で見る範囲の上端にあたります。Braukaiserの導出も同じ経路で4.4 g/L/volに至っています。一水和物補正を省く計算機は4.0付近、Brewer's FriendやBrew Your Ownの計算例は4.2〜4.35。4.0〜4.4の範囲はどれも妥当で、差は約10%、実際の瓶詰めのばらつきの範囲内です。
混同しやすい点をひとつ。1.96 gは1 volあたりのCO₂の質量であって、それを作るのに必要な糖の質量ではありません。糖の量は常にこれより大きくなります。
計算例
19 L、目標2.4 vol、発酵後20 °Cで保管したビール:
残留 = 0.86 vol
追加分 = 2.4 − 0.86 = 1.54 vol
コーンシュガー = 1.54 × 4.41 × 19 = 129 g
スタイル別の目安
- イギリスのエール、カスク — 1.5〜2.0 vol
- アメリカンエール、IPA、ポーター — 2.2〜2.6 vol
- ラガー、ピルスナー — 2.4〜2.8 vol
- ベルジャンエール、セゾン — 2.8〜3.5 vol
- ドイツの小麦ビール — 3.3〜4.5 vol
3 volを超える場合は対応した瓶を使ってください。通常の王冠瓶はベルジャンの圧力を想定しておらず、壊れるのはガラスです。
日本国内での注意:アルコール分1%以上の酒類を免許なしに製造することは酒税法で禁止されています。本ツールは酒類製造免許を持つブルワリー、および1%未満の飲料を製造する方向けの計算ツールです。